簿記1級に合格した公認会計士が教える、簿記3級に絶対受かる勉強方法

私は、日商簿記3級から2級、1級と順番に取得した経験のある、元会計事務所勤務の公認会計士です。今回は簿記3級についてご紹介します。

「日商簿記3級」とは?

一般に簿記検定というと、日本商工会議所主催、全国経理教育協会主催、全国商業高等学校協会主催のものといくつか存在しますが、この中でも最も認知度が高いのが、日本商工会議所主催の通称「日商簿記」です。

この日商簿記は1級、2級、3級と初級に分かれており、初級は2017年から実施されている基本的な理解を問うネット試験であるため、簿記の入門の試験としては、3級が該当することになります。

試験内容

年3回の6月、11月、2月に実施されており、試験時間は2時間、70%以上の得点率で合格することができます。

絶対評価であるため、受験した回の難易度により合格率は変動し、直近では以下で推移しています。(商工会議所HPより)

実施回 第148回(2018年2月) 第149回(2018年6月) 第150回(2018年11月)
合格率 48.9% 44.3% 43.8%

試験範囲は商工会議所HPにて発表されており、簿記の基本概念から、基本的な個人商店での売買などの取引・決算期末の処理が出題されます。

難易度

3級は誰でも合格することのできる試験と言われており、小学生にも合格者は存在します。

たまに、「数字に強くない」という人がいますが、簿記に関しては1級であっても、四則演算以上の計算は基本的に使用せず、また電卓を持ち込むため、計算能力は必要ありません。

正しい勉強さえすれば確実に合格することができます。

合格することのメリット

あくまでも簿記の入門にあたる試験であるため、3級だけでは決算書の内容がすべてわかるというわけには行きませんが、経理の基本知識は持ち合わせている人材となることができます。

勉強法

独学は可能?

結論から言えば、3級合格に資格学校等に通学する必要はありません。

市販のテキストで十分独学ができる試験となります。

3ヵ月程度の勉強で取得する人が多く、コスパのよい資格となっています。

どうしても独学で続けることに自信がない方や勉強仲間を作りたい方であれば、通信教育や資格学校を利用するという選択肢もあると思います。

ここがポイント

通常3ヵ月で独学で取得可能な資格です。

テキスト・問題集の選び方・使い方

テキストについては、図解されているわかりやすいものがおすすめです。

初めて簿記を学ぶ場合、仕訳という仕組みの概念を理解することが最もつまずきやすいポイントです。

そのため、学生などの試験に登場する商取引になじみのない方には分かりやすさがもっとも重要です。

 

こちらのテキストが3級受験においては非常に人気のテキストで、これを一冊完璧に仕上げることで十分に対応できるでしょう。

会計基準や試験の出題範囲は変更されることがあるため、テキスト購入の際には最新版を購入すべきです。

それでも不安な場合には問題集や過去問を別途購入し、経験を積むことでさらに合格率は増します。

選ぶべき電卓

3級ではそこまで支障がありませんが、特に今後も使用することを考慮すると、試験で戦える電卓を選ぶ必要があります。

必要な機能としては、以下が挙げられます。

  1. 12桁対応
  2. 早打ち対応機能
  3. メモリー機能
  4. GT(グランドトータル)機能
  5. 端数処理機能

これらの機能があれば、そこまで高級なものを購入しなくても十分です。

また、電卓は利き手ではない方で使用することをお勧めします。

これは試験において、利き手で文字を書き、反対の手で電卓を使用することで効率的に問題を解くことができます。

合格後のステップアップ

簿記2級も目指すなら

2級では工業簿記(製造業で製造したものを計算するための簿記)が試験範囲に含まれ、3級の内容がさらに高度化されたものが出題されます。

2級を取得すれば一般的な会社の経理にはほとんど対応でき、決算書の内容もかなり理解できるようになってきます。

もし2級を取得したい場合には3級もその勉強の過程で取得してしまうことが効果的です。

 

マコト

特に3級の段階では簿記はパズルのようで面白いという感覚の人もいます。長文問題のような問題が解けたとき、すっきりした気持ちになれれば、簿記の勉強に向いていると思います。

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