ピアノ教師が宅建試験に合格!宅建取得までの道のりと勉強方法をお教えします

ピアノ教師が宅建試験に合格!宅建取得までの道のりと勉強方法をお教えします

子供のころから慣れ親しんできた音楽の世界と未知の部分がほとんどの宅建の世界・・・何の接点もない二つの世界ですが、未知の世界に足を突っ込んだ私はやむにやまれぬ事情から宅建試験を受けることになりました。

音大卒業後どころか、高校の途中から勉強らしい勉強をしてこなかった私にとって、わけのわからない用語が並ぶ宅建試験の勉強は暗闇の中を手探りで進む状態。最初の頃はとてもよく効く睡眠剤でした。

でも、自分なりにコツコツと頑張って勉強に励んだ10か月後。私は合格証書を手にすることができたのです。

どんな道のりで宅建試験に合格することができたのか。受験することになったきっかけからお話したいと思います。

◆ピアノ教師をしながら宅建の勉強を始めた理由

ピアノ教師をしながら宅建の勉強を始めた理由

結婚した当時は、夫はハウスメーカーの営業の仕事をしていました。そして私は個人ピアノ教室と演奏派遣の仕事を。夫の仕事はとても順調でしたのでこのままいくものだと思っていたのですが・・・

夫が始めた不動産業を手伝うことに

「会社を辞めてもいいか?」と相談してきた夫。そして「自分で何か始めたい」と。私は基本的に個人主義的な考え方なので、夫がやりたいならそれでいいんじゃないかと安易に「辞めてもいいよ」と答えました。

そして、しばらくしてから夫が自分で始めたのが不動産仲介業だったのです。

「手伝えることは手伝うよ」と深く考えずに夫に言っていた私は、手伝うとしても経理関係ぐらいだろうと思っていました。だって不動産業界のことなんて露ほども知らないんですもの。それが・・・夫が私に望んでいたことはもっともっと大きかったのです。

宅建知識がないと客対応ができない

開業当初は自宅から離れた場所に事務所を構えていました。夫と共に一歳になる前の子供を連れて毎日朝から晩まで事務所詰め。

夫はハウスメーカー勤務時に宅建の資格を取得してはいましたが、不動産売買仲介となると話はまったく別物のようで、自分も勉強をしながら仕事を回していこうとする悪戦苦闘の日々。私は何が何だかわからないまま、ただ言われるままに不動産物件のデータベースを作成したりホームページを作ったり。これらも初めての経験だったので不動産用語など理解しようとも思う余裕もない毎日でした。

それから徐々になんとか仕事が軌道に乗っていくように。お客様からの電話の数も増え、それまで取り次ぐだけだった私は夫不在の時にはある程度の応答をしなければならなくなりました。問合せして下さるお客様は私のことを素人だと思っていません。れっきとした不動産屋だと思っているのです。

宅建資格取得を夫に促された

それに加え、夫からは「やる気がない」と言われるように。経理やパソコン関係の事は私が一手に引き受けていてそれなりに頑張っているつもりでしたが、もともとが「お手伝い」の気持ちでしたので不動産関係の事をちゃんと勉強しようとしていませんでした。

子供の世話や家事もあるし、私がやるべき仕事もたくさんあるし・・・と思っていたのは自営業者の妻としては甘い考えだったのでしょうか?その頃には店舗付住宅に住まいを移していたので私に時間的余裕があるとみたのか、夫に何度も「やる気があるなら宅建を取れ!」と言われるように。やる気・・・あるのかどうかわからないけど、やってみようかな?

このような流れで、ピアノ教師の仕事をしながら宅建試験に向けて発進することになったのです。

◆宅建資格は使える国家資格です

宅建資格は使える国家資格です

「宅建」という言葉は知っているけれど、不動産屋さんしか必要ないのでは?と思ってらっしゃる方が多いのでは。ところがあらゆる分野で必要とされているのです。

不動産業界では必須

不動産業を開業・維持するには従業員の5人に1人は宅建資格を持っていなければなりません。これは設置義務なのです。大手の不動産会社になればなるほど従業員数が多いですし、支店ができればそちらにも設置しなければなりません。

また、売買・仲介時の重要事項説明時には必ず宅建主任者が口頭で説明を行わなければなりません。契約書には主任者の記名押印が必要です。取引が多ければ多いほど資格保持者が必要です。

不動産会社は宅建資格取得者を欲しがっています。

建築・金融業界でも資格と知識が活躍

最近の建築会社は自社で建築したマンションや家を売買しているところも。ここでも宅建資格取得者が必要になります。

金融業界でも宅建知識が大活躍。相続や不動産担保などで銀行・農協など金融機関も必要としています。※現に銀行や農協に勤めている私の知人も宅建資格を取得しています。

女性にも強い味方

不動産業界では男性女性や年齢による差別はありません。能力がすべてです。

女性社長の不動産屋さんもたくさんあり、営業成績を上げています。

前述で挙げた金融機関などでは女性社員が大勢いらっしゃいますが、宅建資格を持っていると仕事上優遇されているようです。

個人生活においても有利です

ご自分が土地や家の売買・アパートやマンションの賃貸契約をされるときに、宅建の知識は役に立ちます。逆に知らないと損をすることがあるかもしれません。

◆宅建試験の難易度・合格率

宅建試験の難易度・合格率

宅建試験は出題範囲が広く、ちょっと受けてみようという軽い気持ちでは受かりません。

2014年に正式名称「宅地建物取引主任者」から「宅地建物取引士」へと変更されたことにより責任が重くなり、その影響か試験内容も複雑なものになってきています。

高まる難易度

受験資格に年齢・学歴などが必要ないことや社会で需要が多いことからか、毎年受験者数は増え続けています。受験者数は例年200,000人前後ですが、そのうち合格者は30,000人ほどに設定されているようです。合格率でいうと15~17%。なかなか難関です。

受験チャンスは年1回のみ

年に数回受けられる資格がたくさんありますが、宅建試験は毎年10月の第3日曜日のみです。充分な準備をして臨みましょう。

◆宅建の試験内容とそれぞれの問題数配分

宅建試験の難易度・合格率

宅建試験は全50問の選択式です。満点は50点。合格ラインは大体7割ほどの点数ですので35点が境目でしょうか。36~37点は欲しいところです。分野によって問題数配分が決まっています。配分は毎年同じではなく、私が受けた年には権利関係と宅建業法の配分の変更がありました。

権利関係

50問中14問が「権利関係」の問題です。民法や相続などの分野です。難しくて理解し辛く、私は一番苦手な分野でした。私の受験の年に権利関係の問題が18問から14問に減ったのが合格できた理由の一つであるのは間違いないです。試験問題の最初の出題なので、問題をざっと見てわからなかった設問は飛ばして後からやるのが得策です。

宅建業法

50問中20問が「宅建業法」の問題です。宅建業設立関係から取引関係まで、不動産業実務に結びついている内容です。理解と暗記が必要ですが、しっかりやれば確実に取れる分野です。全問題数の4割を占めるので全問正解するつもりで勉強しましょう。設問はひっかけ問題が多いです。

法令上の制限

50問中8問が「法令上の制限」の問題です。実際の取引でよく扱われる「農地法」や「建築基準法」など土地や建築に関する制限や法律の分野になります。不動産業・建築業の必須項目なので勉強しておいて損はありません。勉強すれば理解できる内容です。

税・その他

50問中8問が「税・その他」の問題です。土地や建物に掛かる税など身近なものから土地価格の変動など広範囲。そのため年によって難易度に大きく差が出るようです。難しい問題が出てしまったらチャレンジですね。税関係はわかりやすいのでしっかり勉強しておくべきです。

「5点免除講習」というものがあります

試験を受ける前にあらかじめ50点のうちの5点を免除してもらえる制度です。資格予備校などで有料で「宅建登録講習」というものを受講し権利を得ます。但し、宅建業務に従事している方しか受けられません。講習は通信教育と二日間の実地講習になります。5点免除の問題は最後の5問になりますので「その他」の分野に自信が持てないようでしたら制度を利用するのも良いと思います。

◆宅建試験勉強を始める方法の種類はいろいろ

宅建試験勉強を始める方法の種類はいろいろ

さて、どのようなやり方で勉強を始めるのがベストなのでしょう?現在はいろいろな手段がありますので、自分に合ったものを探してみましょう。

予備校へ通って仲間と切磋琢磨

学生さんや定時にお仕事が終わる会社員の方で「先生から直接指導を受けたい」「勉強仲間を見つけたい」とお考えでしたら、資格予備校に通われるのもいいですね。周りが勉強しているのを目にしてモチベーションを維持できるかも。ただ、通学時間の確保と高めの費用が必要です。

通信教育でフォローを受ける

最近は、通信教育もいろいろな種類が増えました。自分でこなしていくという点では独学と同じですが、専門家が組んでくれたカリキュラムに沿って勉強していけます。また、わからないことを質問できるシステムもあるようです。予備校へ通う時間は確保できないけれど、すべてを一人でこなしていくのはちょっと・・・という方に。

独学が向くのはこんな人

実は私は独学で頑張りました。きっかけは、はやばやと夫に「この参考書が良い」と書店で三冊購入されてしまったからです。そこそこ高額でしたので「もったいない」と自分で勉強する羽目に。ですが、私はもともと人より理解が遅い方ですので、自分のペースでできる独学が一番合っていたのかもしれません。店舗住宅の自営業ですので自由なすき間時間が比較的たくさん取れることも自主勉強向きでした。私のようなタイプや勉強時間の取り方ができる方には独学がおすすめです。費用も一番掛からないと思います。

◆宅建試験のための勉強期間やコツ

宅建試験のための勉強期間やコツ

私のような民法や不動産関係の知識がまったくない方が宅建試験に受かるためには300時間の勉強時間が必要と言われているようです。

最低でも半年の期間が必要

宅建試験のための知識がほぼゼロに近い私は結果的に10ヶ月勉強しました。ハウスメーカーに勤めながら取得した夫は仕事柄多少の知識があったとは思いますが、それでも半年間みっちり勉強したそうです。

試験に出る範囲が本当に広く、また、しっかり理解をしないとひっかけ問題に対応できない事,そして暗記が必要な事柄がたくさんあることから充分な準備期間が必要です。

私が勉強したときに得たコツ

私は独学でしたので、自分なりの見解をお話させていただきます。

普通、勉強する順番は

  1. 権利関係
  2. 宅建業法
  3. 法令上の制限
  4. 税・その他

なのですが(試験に問題として出てくる順番なので)

私は、問題数が一番多く、コツコツやれば理解も暗記も普通にできる「宅建業法」から始めることをお勧めします。次に「法令上の制限」「税」、その次に「権利関係」「その他」の順番で。

これは勉強すれば点を取れるジャンルの順番です。確実なところから攻めていくのが時間のムダなく行けるように思います。

実は私も、セオリー通りに最初は「権利関係」から入っていったのですが、あまりに理解しがたくて最初の一か月ほどは参考書が睡眠薬になってしまっていました。理解できないままに読んでいき、習得しないまま「宅建業法」へ。その後「権利関係」も並行して勉強していきましたが、結局、本番の宅建試験でも「権利関係」の点数は一番取れませんでした。

また、「宅建業法」「税」を理解するときには自分で図や表にまとめていくことをお勧めします。内容が細かいので混乱しやすいのです。

 

ここがポイント

【宅建試験5分野の取り組みおすすめ順番】

  1. 宅建業法
  2. 法令上の制限
  3. 権利関係
  4. その他

まとめ

まとめ

宅建は一度取得すれば一生保持できる国家資格です。コツコツ努力すればどなたでも必ず取得できます。

年に一度しかない受験チャンス。悔いのないよう頑張りましょう!

マコト

ピアノ教師の私でも合格できたのです。あなたもきっと大丈夫!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です