今、英国を始め世界中で注目されている「ヒュッゲ」という言葉をご存知でしょうか?
この「ヒュッゲ」を一言で日本語に訳すのは難しいのですが、幅広い意味でデンマーク流の心地のいいライフスタイルを象徴する言葉として広まっています。
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どこで生まれたの?
魅力的な言葉、ヒュッゲですが、まずはそのルーツを探りましょう。
語源はデンマーク語
ヒュッゲ(Hygge)はデンマーク語で、名詞でもあり動詞でもある、少し複雑な単語です。
「人といるときに感じる温もり」「心地よさ」「不安がなく幸福感に満ちていること」を表します。
ブームのきっかけは?
2016年頃から世界的なブームとなっている「ヒュッゲ」。火付け役は、デンマークに移住したイギリス人ジャーナリスト、ヘレン・ラッセルの体験記だと言われています。
彼女が自らデンマーク人の幸福な生活について調べ、ヒュッゲ体験をして綴った『幸せって何だっけ?ー世界一幸福な国での「ヒュッゲ」な1年』がブームを引き起こしたと言われています。
その他にもたくさんの人が「ヒュッゲ」に関する本を出版しています。
世界でも上位の幸福度を誇るデンマーク
「世界一幸福な国民」とも言われるデンマーク人。「世界で最も幸せな国」にも常に上位にランクインしています。デンマークは人口が少なくゆったりとしており、教育が無料、政府がチャイルドケアに補助金を出すなど社会サービスが充実しています。
常にヒュッゲなデンマーク人ですが、それを特に意識するのは冬です。朝の8時40分くらいまで太陽は昇らず、午後3時30分にはすっかり日が沈んでしまい、1月から2月は、温度計が氷点下を上回ることはめったにありません。しかも電力の多くを風力発電でまかなえるほど風が強いため、体感温度はもっと低く、冬の間は外にいることができないくらいだそうです。
また外食がバカ高く、一年の半分くらい雨が続くので、外で何かするよりも家の中で家族や友人とゆっくりする時間が多くなります。必然的に家の中での生活を充実させようとしてきたのかもしれません。
そんなデンマークの人たちが幸福に暮らすための知恵がヒュッゲなのではないかと言われています。世界一幸せなデンマークに暮らす人たちのこの幸福感の根底にあるのが、ヒュッゲを意識した生活なのです。
ヒュッゲとは具体的にどんな生活?
「ヒュッゲな生活」を一言で表すのは難しく、様々なものが含まれています。
快適であたたかく、心地よく、元気を回復したり、幸福であるあらゆるものがすべてが含まれています。
イメージとしては、ふわふわの毛布にくるまった時の暖かさ、大好きな飲み物を片手に大好きな人たちと暖炉を囲むひと時や、優しく揺れるキャンドルを眺めている時。または、お茶を飲みながら一人で本を読むことも、これらすべてが「ヒュッゲ」なのです。
それでは具体的にデンマーク流のヒュッゲのコツをご紹介します。
信頼する
何が起こるかわからない、物騒な世の中では簡単にできることではないかもしれませんが、他人を信頼することが大切です。他人を常に疑うことをやめればストレスがかなり減るのです。
実際にデンマーク人は、ベビーカーに子供を寝かせて外に置きっぱなしにしたり、車の鍵を掛けっぱなしにしている人も少なくないそうですが、これもヒュッゲなデンマーク社会が信頼で成り立っているからこそできること。
シンプルにゆっくりと
デンマーク人は、物質的な豊かさへの執着心があまりないそうです。なぜなら物よりも、家族や友人との時間や絆を大切にしているから。
お金おをかけて派手なことをするよりも、公園でのピクニックとか、仲のいい友人とお家でホットチョコレートを飲みながらおしゃべりをするとか、そういうシンプルで些細なことにこそ価値を見出すのです。
そして、日本人が陥りがちな、せかせかと忙しさ忙殺されタスクに追われて落ち着かない日々を見直して、一息ついて緊張をゆるめたり、スローダウンすることも大切です。
しかしスローダウンは、心地いい暮らしの大切なキーワードのひとつだといいます。理由は、速度をゆるめることで、自分を取り戻すことができるから。デンマーク人はこのスローダウンがとても上手いそうです。
オーセンティック
「オーセンティック」という言葉の意味は、「本物であること」「誠実であること」。
これははつまり「本当の自分でいること」です。
他人に認められたいとか、よく思われることだけを考えて生きていると、自分が本当は何をしたいのか、自分にとって幸せなことは何なのかわからなくなってしまいます。そんな生活は幸福とは程遠いと言えるでしょう。
大切なのは、自分らしくあること。心の声に忠実に生きること、これもまた、幸福な「ヒュッゲ」な生活につながります。
逆にいえば、自分自身を無視して周りに合わせようとしたり、他人からどう見えているか思い悩んだりしていると、「ヒュッゲ」の感覚は失われてしまいます。
仲間とともにホッとする
親しい友人や家族、パートナー、隣人、同僚など、あるいはペットでも。大切なのは、安心して自分らしくいられる人たちとともに過ごすことです。
どこかに出かけなくても、大好きな友人たちとゆったりと過ごす、家族とソファでゆっくり映画鑑賞をする、それだけで身も心も元気になるのです。
日本で簡単に「ヒュッゲ」を取り入れる方法
あなたもヒュッゲな生活を実践してみたくなったのではないでしょうか?
でも、ここは日本。寒くて冬は外に出られないデンマークとは違います。その生活や考え方を丸々真似することはできませんが、簡単なことから取り入れてみてはいかがでしょうか?
日本にいながらデンマークのヒュッゲを意識できる例を挙げてみます。
- 家族やパートナーとゆっくり朝食をとる
- 少し早起きして朝のお散歩をする
- お気に入りのキャンドルを灯してゆっくりする
- 夜、ケータイをいつまでも触ってメール返信するのをやめて、本や雑誌を読む
- 日常にお花を取り入れる
- 小物や植物を置いたり、少しインテリアを変えてみる
- 家族や友人を家に招き、一緒に過ごす
- ソファーで毛布にくるまってコーヒーや紅茶を飲みながらゆっくり映画鑑賞
- クリスマス、バレンタインなどのイベントに料理を楽しむ
、、、などなど。
どうですか?イメージが湧いてきましたか?
こんな風に手軽で簡単なことでも、自分自身がリラックスして過ごせるのであればそれが立派な“ヒュッゲ”な生活です。
マコト
今日から、ちょっとスローで暖かい気持ちになれる「ヒュッゲ」を意識してみてください。きっと今までよりもっと幸せな日々に出会えますよ!
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