「お金2.0」とは?要約とsociety5.0、フィンテック時代の生き方

「お金2.0」とは?要約とsociety5.0、フィンテック時代の生き方

「お金2.0」という言葉をご存知でしょうか?

「お金2.0」とは、株式会社メタップスCEOである佐藤航陽氏が執筆された書籍名になるのですが、そこで提唱されている概念が非常にユニークであり、お金や資本主義の未来を先取りしていると話題になっています。

今現在起きている事や書籍の内容も含め、今回は「お金2.0」という考え方について見ていきましょう。

そもそもお金とは?

そもそもお金とは?

お金とは何か?太古の社会においての物々交換

そもそも、お金というものは一体どのような存在なのでしょうか?

我々が生活している資本主義社会の元でのお金というのは、物やサービスの価値を端的に表しているもの、そしてそれらと交換可能なものであると説明する事ができそうです。

太古の昔はお金という概念がなかったため、物と物を交換する物々交換によって市場が成り立っており、人々は自分が生産する物を代価に、他の人が生産する物を手に入れていました。

ですが、このやり方ではそれぞれの生産者が独自の通過を持っているようなものであり、また生産物の保管期限もまちまちであるため、非常に非効率な社会であると言えるでしょう。

持ち運びやすく腐らず一定の価値が保たれるお金の誕生

そこで、お金という概念が誕生しました。お金という物は腐らず保管がきき、その価値もある程度一定に保たれているため、物々交換を行うよりもはるかに効率の良い社会になった事でしょう。お金によって利便性が高まった社会が形成され、これで様々な問題は解決したように見えました。

行き過ぎたお金への熱狂

そんな便利なお金という存在ですが、あまりに便利で価値が毀損しないため、人々は熱狂的にお金を求めるようになりました。最初は生産物の対価にお金を得ていたのですが、次第に金貸し業のようなお金を使ってお金を得る方法や、投資のような未来のお金を得るためにお金を使うといったような手法も確立されました。

現在では、最早生産等の労働によって生み出されるお金の総量より、既にあるお金等の資産から生み出されるお金の総量の方が多い社会になっており、資本主義が行き過ぎているのではないかと危惧されています。

「お金2.0」とは?

「お金2.0」とは?

「お金2.0」が提唱する価値主義

そこで、「お金2.0」という概念に戻りましょう。

「お金2.0」の中で提唱されているのは、今後は上記のような行き過ぎた資本主義経済から、価値主義経済に移行するのではないかという事です。

資本主義経済はお金や資本に価値が見出されており、経済合理性をつきつめる事によっていかに効率的にお金や資本を得るかという話でしたが、価値主義ではお金で買えないものに価値を見出し、一見経済合理性においては不合理な行動が実は大きな価値を産むのではないかという話になっています。

お金はただのツールでしかない。どう使うかが大事

その中ではお金というものはあくまでもツールにすぎず、それを持っているだけで偉いのではなく、どう使うか、そしてそれを使って社会をどのように変化させるかといった概念が大事になるでしょう。

すなわち、価値主義経済においては、自分個人の利益だけを肥大させるのではなく、自分を含めた周囲、及び社会全体で一緒に利益を得ていきましょう等といった感覚になるのかもしれません。

 

ここがポイント

価値主義とは?

お金イコール価値というわけではなく、より本質的な価値を価値と見なす考え方

人と人との信頼や、社会を良くしようという思想

 

 

評価経済システムとは?

評価経済システムとは?

価値主義経済と似たような概念として、評価経済システムという考え方が存在します。

評価経済システムとは、ざっくり言ってしまうとお金や資本を持っている人よりも社会的に信頼されていたり社会的評価を得ている人の方が価値があるといったものになり、現在の資本主義から評価経済システムの方に移行していくのではないかとも言われています。

ですが、現状の評価経済システムの問題点としては、信頼されているというよりはただ単に注目を集めた者勝ちになっているのではないかという批判も存在します。

お金2.0とフィンテック2.0

お金2.0とフィンテック2.0

フィンテックというのは、ファイナンスとテクノロジーを合わせた言葉であり、テクノロジーによって金融をもっと便利にしようといった取り組みの事を指します。例を挙げると下記のようなものがあります。

  • スマートフォン決済
  • クラウド家計簿
  • SNS送金サービス

今はどのような分野もテクノロジーの影響を受けないわけにはいかず、お金を始めとした金融もその例に漏れません。今後更なる発展が見込まれるフィンテックとお金の関係はどのようになるのでしょうか。

まず考えられるのは、個人間のお金のやり取りが今よりもはるかに簡単になり、投げ銭や少額寄付感覚で気軽にお金を送る社会になる事が考えられます。そして、それにより独自の経済圏が至る所に形成され、それぞれの経済圏によって独自のルールが設けられる未来も有り得るのではないでしょうか。

お金2.0とsociety5.0

お金2.0とsociety5.0

society5.0とは、内閣府が提唱しているテクノロジーと人間社会の融合を図り、技術によって人々の暮らしをより良くすると共に、様々な社会問題も同時に解決していこうといった取り組みです。

例を挙げると、ロボットによる労働の代替やAIによるビッグデータの分析になるのですが、そんなsociety5.0とお金2.0の組み合わせにより、下記のような事が考えられるでしょう。

  • 様々な支払いをオンライン上で、また仮想通貨で行えるようになる
  • AIによる資産の運用や税務アドバイス
  • 通貨や細かなルール等が異なる独自の経済圏の誕生

 

今のところ実現する可能性は分かりませんが、私達の暮らしがより便利になる可能性は高いと言えそうです。

まとめ

まとめ

現在の資本主義社会においては、資本による収益が労働収益を超えているという事もあり、労働の価値が著しく落ちているとも言えるでしょう。生産活動というのは最低限必要となりますが、それもAIやロボットにより人間が行う作業は減少していくでしょう。

そのような社会において、私達はどのようにお金と向き合えばいいのか、そのヒントになるのが「お金2.0」であると言えるのかもしれません。

マコト

お金2.0、フィンテック2.0、society5.0が提唱している未来はまだまだ突飛なものであると言えそうですが、一昔前にはスマホすら普及していなかった事を鑑みると、そう遠くない未来に実現するかもしれませんね。

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