【2019年】TOEIC860点突破に必要な勉強時間とおすすめ独学方法

TOEICは英語の運用力を証明する資格として、今現在も日本社会に浸透している資格試験です。中でも860点というボーダーラインは、TOEIC受験者にとって究極的な目標であり、990点満点への足掛かりとして非常にレベルの高いスコアです。

今回は、そんなTOEIC860点の概要と、おすすめの勉強方法についてご紹介します。これから860点を目指そうとする人はもちろん、TOEICの上級スコアの勉強方法が知りたい初心者の人にも、お役立ていただければ幸いです。

TOEIC860点の社会的価値と難易度

TOEIC860点の社会的価値と難易度

TOEIC860点を取得した場合、社会的には一体どんなメリットがあるのでしょうか。多くの人が感じるように、TOEIC860点といえばかなり難易度の高い資格ですが、たくさんの時間をかけてまで取得する意義はあるのか、ということについて考えてみましょう。

TOEIC860点を取得すると社会的には英語マスター

TOEIC860点を取得すると、社会的にはもう「英語マスター」として認識されます。会社内で言えば、「この人がいれば、国際関係は絶対安心!」といったところでしょうか。

Non-Nativeとして十分なコミュニケーションができる。

自己の経験の範囲内では専門外の分野の話題に対しても十分な理解とふさわしい表現ができる。Native Speakerの域には一歩隔たりがあるとはいえ、語彙・文法・構文のいずれをも正確に把握し、流暢に駆使する力を持っている。

参考:「PROFICIENCY SCALE」(http://www.iibc-global.org/library/default/toeic/official_data/lr/search_daigakuin/pdf/proficiency.pdf

TOEICの公式HPを見ると、上記のような記載があります。つまり、英語を母国語としないのに英語で十分にコミュニケーションが取れる人、という評価を下されるわけです。

実際、国内に拠点を置く企業において、海外進出を進める部門に配属する社員には、高いTOEICスコアが求められる場合があります。その意味で、TOEIC860点は「英語を武器に戦えるレベル」と言って過言ではないでしょう。

TOEIC860点の難易度は英検1級程度

TOEIC860点の難易度を示す目安として、英検と比較することがあります。よく、「TOEIC860点は英検1級合格程度」と言われています。

TOEICの試験内容と社会的価値とは?英語学習者が730点を目指す理由と勉強方法

こちらの記事でも紹介していますが、英検1級の合格ラインをTOEICスコアに換算すると、おおよそ「870~970点」です。あくまで目安なので多少の誤差はありますが、ギリギリ1級に合格できるかどうかくらいの実力があれば取得可能なスコアと言えます。

990点満点のTOEICテストで860点を取るとなると、約87%の得点率です。100%を目指すわけではないため、ミスが絶対に許されないということはありませんが、さすがに何もテスト対策をせずに取得できるレベルではありません。

TOEIC860点に必要な勉強時間とペース

TOEIC860点に必要な勉強時間とペース

TOEIC860点を取得するためには、いったいどの位の時間をかけて勉強すれば良いのでしょうか。成果が現れる時間には個人差があるため、一概には言えませんが、「趣味レベル」の勉強では足りないことは確実です。

まず考えるべきなのは、

  • どのくらいの期間で860点を取得するのか
  • 現在のスコアから何点伸ばす必要があるのか
  • 1日に確保できる勉強時間がどのくらいか

このようなことです。

例えば、現在のTOEICスコアが400点台の人が860点を目指すのと、700点台の人が860点を目指すのでは、860点取得に必要な勉強量も時間も変わります。今の自分と目標との距離を正しく見極めて、その距離を縮めるためにどの位の時間が必要なのかを考えることが先決です。

TOEIC860点取得に必要な期間をモデル人物で考える

TOEIC860点取得に必要な期間をモデル人物で考える

ここからはモデル人物を元に、TOEIC860点取得までに必要な勉強期間をシミュレーションします。ご自分の現状と見比べながら、参考にしていただけますと幸いです。

【モデル人物プロフィール】

  • 年齢:36歳
  • 性別:男性
  • 職業:会社員
  • 家族構成:妻、長男(10歳)、長女(8歳)
  • 現在のTOEICスコア:620点(リスニング350点、リーディング270点)
  • 1日に確保できる勉強時間:2時間(電車通勤時間含む)
  • 目標取得時期:3ヶ月後

【詳細】
会社で国際関係部門が立ち上がることになり、海外旅行が趣味なことを買われて3ヶ月後に配属されることが決まった。日常会話なら困ることはないが、ビジネス英語は経験がないため、TOEIC860点を取得してキャリアアップしたい。

あくまでモデルですから、実在の人物ではありません。TOEICの現状と勉強する環境、資格取得の動機をイメージしていただければ十分です。

TOEIC860点の勉強を1日2時間×90日続けた場合

彼(モデル人物のこと)の場合、日中は会社で仕事をしているため、1日の勉強時間が限られています。行き帰りの通勤電車の中と、帰ってから寝るまでの数時間確保できれば良い方でしょう。

通勤電車の中で1時間(30分×往復)と、帰ってからの1時間をTOEICの勉強に充てたとします。すると、目標の3ヶ月後(90日後)まで毎日勉強するとして、合計180時間でTOEIC860点を取得することになります。

現在のスコアが620点なので、180時間以内にあと240点を伸ばすと考えると、少し時間が足りないようにも感じます。リスニングとリーディングで各430点ずつ取得するとして、彼の場合はリスニングであと80点、リーディングであと160点足りない、という現状です。

ここがポイント

3ヶ月後に860点取得を目指すには、1日2時間の勉強では厳しい?

TOEIC860点の勉強を1日4時間×90日続けた場合

では、もう少し勉強時間を確保して、1日4時間、3ヶ月間で360時間の勉強量を目標にした場合はどうなるでしょう。平日に4時間勉強すると仕事に使う体力も無くなってしまうため、休日にたくさん時間を確保するよう工夫したとします。

平日は通勤時間に1時間、帰ってからは妻に子どもたちを寝かしつけてもらい、少し頑張って2時間勉強します。休日は朝起きてから1時間昼食後に3時間夕食後に2時間就寝前に30分勉強したとして、平日3時間×5日=15時間、休日6.5時間×2日=13時間で、トータル28時間×4週×3ヶ月=336時間となり、おおよそ目標に近い時間を確保することが可能です。

336時間で240点伸ばすなら、まだ可能性がありそうな気分になります。1年間同じ生活を続けるとなるとまるで受験生のようで苦しいですが、3ヶ月間なら短期集中で乗り越えられそうです。

ここがポイント

時間の使い方次第で、働きながらTOEIC860点を取得することは可能です。まずは自分の現状と勉強できる環境を考え、最適で効率的な学習スタイルを考えてみましょう。

TOEIC860点におすすめの独学方法:リスニング

TOEIC860点におすすめの独学方法:リスニング

では勉強する内容として、リスニングパートにおいてはどのような勉強をすれば良いのでしょうか。リスニング対策の手段は色々ありますが、860点を取得するために必要な能力と、それを身に着ける勉強方法をお話しします。

TOEIC860点を目指す場合、リスニングセクションはぜひ満点を目指していただきたいです。リスニングでほぼ満点に近い点数が取れれば、後のリーディングセクションに余裕を残すことができるからです。

part1・2の対策方法

TOEICのpart1とpart2は、確実にノーミスで解きたい問題です。それぞれpart1はイラスト問題、part2は短文問題なので、落ち着いて集中できれば問題ありません。

逆に、ここでつまづいてしまう場合、何らかの英語力が足りていないことが分かります。英語音声を隅々まで聞き取れないなら「ヒアリング能力」が、聞き取った英語の意味が浮かんでこないなら「単語力」「文法力」を鍛える必要があるでしょう。

  • 英語が聞き取れない場合:シャドーイングで英語耳を鍛える
  • 聞き取った英語の意味がわからない場合:原稿を見て意味を確認する

part3・4の対策方法

part3とpart4は文量が多くなるため、難しそうと思われがちなところがあります。しかし、英語を正しく聞き取ることができるのであれば、基本的には難問とはなり得ません。

part3とpart4の問題を解くコツは、選択肢の英文を素早く読み取ることです。これはもはやリスニングというより、リーディングに近い能力が求められています。

音声が流れる前に、選択肢に書かれていることを瞬時に読み取ることができれば、どんな情報を聞き取ればいいのかが分かり、心に余裕が生まれます。この速読ができるかどうかで、リスニングセクションの得点が左右されると言っても過言ではないでしょう。

ここがポイント

part1、2は確実に解き、part3、4は選択肢の読み取りができれば得点が安定する。

TOEIC860点におすすめの独学方法:リーディング

TOEIC860点におすすめの独学方法:リーディング

では、リーディングパートの勉強方法は何がおすすめなのでしょうか。能力を鍛えるリスニング対策とは異なり、知識の勉強が増えることになりますが、860点を取得するために必要な能力と、それを身に着ける勉強方法をお話しします。

860点を取得するためには、リーディングセクションの攻略方法を知るべきです。単語、文法、読解能力だけでなく、「解き方」を知ることが必要になります。

part5の対策方法

part5の難易度は、TOEIC試験の中でも最も易しい部類に入ります。英語が得意な高校生であれば、このセクションは満点が取れるほどです。

公式HPでは「短文穴埋め問題」と表記していますが、実際は「品詞判別問題」とも言えると思います。主語や動詞、目的語、補語といった品詞の役割を正しく理解し、文中に収まる選択肢を文法的に判別していく問題だからです。

No. 101 Customer reviews indicate that many modern mobile devices are often unnecessarily ——- .
(A) complication
(B) complicates
(C) complicate
(D) complicated

公式HPに、こんなサンプル問題が載っています。皆さんはこの問題の答え、お分かりになりますか?

正解はDです。“that”以下を見ると、主語(many modern mobile devices)+動詞(are)が続いているため、空欄に入るのは「名詞」「分詞」「形容詞」のどれかだと判別できます。この時点でAかDに絞られますが、文脈的に”complicated”「複雑な」が当てはまるため、Dが答えとなります。

「なぜ”that”以下から見ていくの?」と思う人はもう一度文法の勉強を、「”unnecessarily”ってどういう意味?」という人は単語の勉強をしましょう。この辺りは基礎力なので、860点取得のためには必要な知識です。

part6の対策方法

part6はpart5ほど簡単ではありませんが、解き方や着眼点はpart5と似ています。文法的な判別力に加えて、少し読解力が必要です。

Questions 131-134 refer to the following e-mail.
Part6 texts

No. 131
(A) interest
(B) interests
(C) interested
(D) interesting

引用:「サンプル問題」(https://www.iibc-global.org/toeic/test/lr/about/format/sample06.html

さっきのpart5が長文形式になったような問題です。前後の文脈や文法的ルールを元に答えを考えてみましょう。

正解はCです。直前に前置詞の”for”があることから、空欄には「名詞」もしくは「動名詞」が来ることがわかります。しかし、もうすでに”employees”という名詞が後ろに入っているため、その名詞を修飾する言葉が適切です。よって、答えはCとなります。

ここでも、「CとDはどう違うの?」と思った人は、文法書などで確認しましょう。人物の感情として「興味がある」という場合は、過去分詞を用いるのでした。

part7の対策方法

最後に、TOEICリーディングの最難関のpart7です。part5、6とは異なり、チラシやメールの内容を読解する力が試されるセクションです。

Questions 147-148 refer to the following advertisement.
Part7 No.147-148 texts

No. 147 What is suggested about the car?
(A) It was recently repaired.
(B) It has had more than one owner.
(C) It is very fuel efficient.
(D) It has been on sale for six months.

引用:「サンプル問題」(https://www.iibc-global.org/toeic/test/lr/about/format/sample07_01.html

part7の前半の問題なので、そこまで長い文章とは言えませんが、それでも今までの問題より応用的です。文法的な判別というより、内容について詳しく聞かれているのが分かります。

正解はAです。5文目〜6文目にかけて、車の装備が取り替えられたことが書かれています。一方で、BとDは引っ掛け、Cは記述がありません。

英文が読めるかどうかの基盤は、やはり単語と文法です。860点取得のためには、この例題の文章を完璧に把握できるくらいにはなりたいところですね。

ここがポイント

part5と6では文法的な判別力が試される一方、part7は読解力を含めた総合力が必要になります。

まとめ

まとめ

いかがだったでしょうか。TOEIC860点の勉強に必要な時間と対策方法をお話ししてきましたが、役立つ内容はありましたでしょうか。

実際に、TOEIC860点はかなり取得難易度の高い資格です。しかし、単語、文法、読解力の基礎力がしっかりしていれば、必ず乗り越えられる壁でもあります。

逆に言えば、「860点に届かない」ということは「基礎力のどこかが不足している」ことの表れでもあります。英語力の穴を見つけるいい機会になりますので、860点を目指しつつ、英語の総合力の見つめ直しをしてみてはいかがでしょうか。

マコト

TOEIC860点を取得すれば、晴れて「英語マスター」の称号を得ることができます。
仕事でも旅行でも、英語に不自由しなくなる理想的な自分を描きながら、日々努力に励みましょう!

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